『アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜』第6話考察&感想。森本慎太郎の存在が鍵となる? 柊班の結束を取り戻すために必要なのは?【ネタバレ】
波瑠主演のドラマ『アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜』(フジテレビ系)が現在放送中。一度見た光景を写真のように記憶できる瞬間記憶能力・“カメラアイ”を持つ女性刑事・氷月が、その能力を活かしながら様々な難事件に立ち向かう。今回は、第6話のレビューをお届け。(文・ばやし)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:ばやし】
ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。
ついに監察が氷月(波瑠)を尋問
氷月(波瑠)の過去をめぐる葛藤や思いがけない仲間の死を経て、物語はついに後半戦へ突入する。
瑞江(柏木悠)の殉職を契機にして、少しずつチームとしての結束を深めていく柊班だったが、彼らの繋がりは思わぬカタチで断ち切られてしまう。第1話から水面下で氷月に目をつけていた監察官の貝原(今井朋彦)が、とうとう氷月に対する事情聴取を開始したからだ。
今まで表立って動くことはなかった監察。目的は瑞江の殉職に対しての責任を問うことだったが、貝原が氷月の過去と「カメラアイ」の能力を危険視していることは話ぶりから明らかだった。
実の父親が母親を殺す場面を目撃したことが、氷月の人間不信の原因だと睨む貝原は、執拗に彼女の過去を問いただす。
実際のところ、瞬間記憶能力があろうとなかろうと、過去のトラウマは完全に消えることはない。氷月の過去が人格形成に影響を与えるほどの出来事だと考えている割には、貝原の尋問方法は心的外傷後ストレス障害(PTSD)への配慮が欠けているように感じられた。
ただ、以前の氷月であれば、主任として班員に関心を持ってなかったのではないかと疑問を投げかける貝原に対して、部下への信頼を正々堂々と口にすることはできなかったはずだ。
毅然とした態度で「私は瑞江が優秀な警察官だと信じていました。今もその気持ちに変わりはありません」と答える姿は、彼女のなかで人を信じることへの恐怖心が徐々に薄らいでいると確信するには充分だった。