正助(志尊淳)との信頼関係も強固に

『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第8話©フジテレビ
『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』第8話©フジテレビ

 保育園の待機児童の問題もよく目にするが、それは小学校に上がっても変わらない。共働きであれば、子どもを家にひとりで置いておくわけにはいかないから学童の存在は大きい。

 枝久仁子(星野真里)は夫が夜勤の仕事ということで、夜はほぼワンオペのよう。自身も介護の仕事をしており、夜も遅くなることがしばしば。子どものお迎えも次第に21時、22時…と遅くなっていく。

 この子どもの預かりについてお金の話は出ていなかったけれど、どうなんだろう。少しはもらっているのだろうけれど、きっと、多くはない。預かりが延長になれば一平と正助の負担がただ、ただ増えていく。子どもたちがみんな帰ったあとに自分たちの家事をして、仕事をして…となるとかなり厳しい。

 一平は「誰かが無理をしなければならない社会自体が変わらなければ」と考え、正助は「社会はすぐに変わらない。なら自分が無理をするしかない」と考える。正助自身、仕事と家事育児の両立でクタクタになっていた経験があるからこそ、実感がこもっている。

 相反する考え方にも見えるが、これは正助から一平への期待でもあるのではないだろうか。

「自分もがんばるから、社会を変えてほしい」

 一平も、正助も簡単に社会は変わらないと知っている。ただ、何もしないよりはいい。動いて、少しでも変えていきたい、という思いは共通する。

 実際に一平が身近な環境を変えてきて、正助はそれを見てきたからこその信頼関係が築けているのではないだろうか。最初はぎこちなかったし、遠慮も不信感もあったのに、正助が一平の身近な味方になってくれているのだと思うと微笑ましい。

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