葉山(堀部圭亮)がついていた”ウソ”

『フォレスト』最終話©ABCテレビ
『フォレスト』最終話©ABCテレビ

 前回、葉山(堀部圭亮)は建設予定地のトラブル処理に向かう途中に、純の弟・涼介を車で轢いたと証言した。しかし、これもまた“誰かのためのウソ”であった。

 葉山がウソをついたのは鈴子のため。事件は、葉山が鈴子と咳込む楓を病院に連れて行く途中に起きた。涼介を轢いて呆然とする葉山に、鈴子は「楓を早く病院に」と急かす。楓を一刻も早く病院に連れて行くために、涼介の事故は隠されたのだ。

「あなたには本当に感謝しています。33年前に私を拾い 一緒に大きな夢を見させてくれました」

 前回、葉山は病室のベッドで眠る鈴子に感謝を伝えていた。“拾われた”ということは、恩に報いるため長年尽くしてきたのだろう。その恩義が、事故の隠ぺいや、罪を1人で被るに至らしめた。

 筆者は葉山について冷酷な人間だと先入観を抱いていた。しかし、真実を知って印象はガラリと変わった。それは、葉山がかばった鈴子に対しても同様だ。幼い楓に鈴子の眼差しは優しく、経営者としての険しい顔つきとは随分と異なる。

 葉山は鈴子のダークサイドだけでなく、彼女のあたたかな部分にも気づいていたのだろう。

1 2 3 4
error: Content is protected !!