生前相続がもたらした副産物

『相続探偵』第6話 ©日本テレビ
『相続探偵』第6話 ©日本テレビ

 より良い道を選ぶための生前贈与だったのに思わぬトラブルに見舞われたケンジイは肩を落とす。しかし、何も悪いことばかりではない。孫娘の真央がしっかりとケンジイの意志を継ごうと動き出していた。

 経営に関しては門外漢の彼女だが、美大生の伝手を活かして「笑福湯」をリフォームによって生まれ変われさせることを決心。内装はもちろん、スイーツなどで客を呼ぶアイデアを次々と出し、銭湯の引き継ぎに否定的だった両親をも納得させるのだった。

「成人した人間なら、親やジジババが何言おうと、自分の人生は自分で選択するべきじゃないかな」

 至極真っ当な言葉だが、答えを委ねるように尋ねてきた真央に対して灰江はやや手厳しかった。一瞬真央は戸惑いの表情を浮かべるが、灰江はきっと彼女の芯の強さ、そして「豊かな心」を信じていた。

 だからこそ、真央は能動的に動き続け、こちらも応援したくなるような結末を持ってくることができたのだろう。生前相続は孫娘の成長という思わぬ副産物をもたらしたというわけだ。

 灰江のアシストも光り、人情味あふれる心温まるラストとなった第6話。ハンガーフックとして気になったのは三富令子(桜田ひより)と灰江のライバル弁護士である福士遥(落合モトキ)の急接近。といっても福士の片思いで、事務所への引き抜きを画策しているようだ。この動きが物語にどのような影響を及ぼすのか来週も楽しみに見守りたい。

(文・まっつ)

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