椎葉(吉柳咲良)が出した悲痛なサイン

『御上先生』第7話 ©TBS
『御上先生』第7話 ©TBS

 彼女が盗んだものは生理用品ということにも小さくない意味がある。そもそも万引きしなければならないほど高いものではない。ただ、彼女は知ってほしかった。1人で苦しみながら、「血を流している」ことを。それはこの平和な日本で彼女が人知れず戦ってきたことも暗喩しているのではないか。

 苦しい状況にいるなら声を上げてほしい。周囲の人間であれば自然にそう思うが、実際に陥ると簡単ではない。「考えなければならない問題」に囲まれてしまい、助けてくれる人の存在にも気づかなくなってしまうのだ。

 現代社会では人と人の結びつきは弱くなっている。他人に過剰に干渉することは良しとされないし、ご近所付き合いだって稀有だ。それでも、ときにおせっかいとも取れる行動が1人の人間を救う手助けとなることも頭にきっちりと入れておきたいと思った。

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