阿南(瀧内公美)の目的は?
つまり、男は22年前、友哉の父・力郎(酒向芳)が犯人として逮捕された東賀山事件の関係者であることは明白。事件の真犯人か、もしくは何らかの事情で真相をもみ消した人物なのかはわからないが、春生が力郎の冤罪を確信していたこと、それを友哉にも伝えていたことを掴んでいたことは間違いない。
そして、春生を殺害し、その罪を友哉に擦りつけることで東賀山事件の真相を闇に葬ろうとしている…と考えるのが自然だろう。
そんなカラビナ男の指示で、友哉を起訴しようとしている阿南は事情聴取で染田の遺体から薬物反応が出たことを心麦に伝える。染田は薬を買うお金が欲しくて、友哉の依頼で手紙を偽造したと思わせるためだ。
しかし、心麦の認識は変わらない。「あの手紙は、父が私を信じて残したものです」と告げ、そう信じる理由については「私には分かるから。それが根拠です」と真っ直ぐな目で語る。
その瞬間、阿南の目が変わった。純粋に親を信じ、その愛に報いようとする心麦を羨ましく感じたからかもしれない。