『秘密』第6話考察&感想レビュー。板垣李光人&門脇麦のやり取りが切ない…ドラマを通して徹底されていることとは?【ネタバレ】

text by ばやし

板垣李光人&中島裕翔がW主演のドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)が放送開始中。科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”が、死者の生前の記憶を映像化する特殊技術で難事件に挑む。今回は、第6話のレビューをお届け。(文・ばやし)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:ばやし】

ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。

封じ込められた悲劇が白日のもとに

『秘密~THE TOP SECRET~』第6話©カンテレ
『秘密~THE TOP SECRET~』第6話©カンテレ

 少年が許しを乞いながら、スコップで地面を掘り起こす。冒頭からただならぬ予感を感じさせる物語は、悲しみに包まれた過去の事件へと繋がっていく。

 今回、老朽化で取り壊された団地跡から発見されたのは、下腹部を集中的に刺された男性の遺体。そのうえ、20年以上前に殺された他殺体であるにもかかわらず、白骨化することなく人としての原型を留めている「屍蝋化(しろうか)死体」だった。

 死体に残された僅かな証拠から犯人の手がかりを見つけるためにも、解剖医の雪子(門脇麦)は法医第九研究室(通称・第九)で脳を見るべきだと室長の薪(板垣李光人)に進言する。

 しかし、薪は「この脳は見るべきではありません」と雪子を突き放す。技術的な難しさはもちろん、緊急性が低い案件でもあることも影響しているが、薪の頑固とした姿勢は、この事件の秘密が暴かれることへの懸念もあったのだろう。

 対して、雪子への想いを隠しきれていない青木(中島裕翔)は、彼女に同調して頼みこむ。相変わらず察しの良い薪はすぐさま青木を名指しして、ひとりで屍蝋化死体の脳をMRI映像で見るように言いつけていた。

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