大河ドラマ『べらぼう』考察&感想。小芝風花”瀬川”とのプラトニックラブにキュン…もっとも色気が爆発していたキャストは?【ネタバレ】
text by 田中稲
横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)が放送中だ。貸本屋からはじまり「江戸のメディア王」にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く本作。今回は、第7話~第9話のお話を史実も交えつつ、多角的な視点で振り返る。(文・田中稲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:田中稲】
ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。
蔦重(横浜流星)の完璧主義に全クリエイターが震えた
どうも~! にわかのお邪魔、ご無礼つかまつりの三郎ッ。大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(以下、『べらぼう』と表記)7話から9話の総括は、第7話のしょっぱな、蔦屋重三郎(横浜流星)が披露した挨拶をそのまま拝借してのスタートである。
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」で鱗形屋がニセ版で逮捕され、いざ我らが蔦重はビジネスチャンス到来。からの、西村屋との「新・吉原細見」売り上げ競争、からの、瀬川と20年越しの両想い、からの悲劇(泣)!!
ジェットコースター並みの展開を振り返ろう。
鱗形屋が活動できない隙を狙い、今後、自分が版元になり「吉原細見」を作る! とタンカを切る蔦重。しかし、地本問屋一同は彼を受け入れない。のらりくらりと笑顔で吉原をディスリながら彼の仲間入りを阻止する鶴屋喜右衛門の憎たらしいこと。
風間俊介さん、本当にムカつく。まさに名演技である。
すったもんだの末、蔦重は「倍売れる吉原細見を作る」ことを条件に、仲間入りの約束を取り付ける。それを実現すべく、こだわりまくる蔦重の完璧主義&サイコパスっぷりが出ていて本当に怖い。