浦神鹿(毎熊克哉)の正体は?
2つ目の見所は浦神鹿の存在だ。
これまで『相棒』では、様々な権力者が特命係によって失脚させられてきた。警察庁長官、内閣官房長官、国家公安委員、与党政調会長など挙げればキリがない。
今回のターゲットは東京都知事だ。都知事の一岡は、元はタレントとして活動し、前都知事が火災で死亡したことで世論が彼を後押しして当選するに至った。そして現在は強盗や殺人の黒幕や与党•野党•財界•官僚•宗教•外国全ての勢力の利権を一手に担う存在として幅を利かせ、食事会でも様々な権力者を差し押して中心に陣取っている。
ここまでであれば、権力に物をいわせる巨悪としてはありがち。しかしここに一石を投じるのが浦だ。
彼は1行も書いてない小説家志望の無職で、何の力も権限も持っているとは思えない。にも関わらず、彼は一岡の食事会に出席し、彼と対等もしくはそれ以上の振る舞いを見せている。
右京に“悪”を説き自身もそれを探求する彼が後編の物語にどう絡んでくるのか注目だ。
そんな訳で期待は高まる一方だが、正直なところスケールが大き過ぎて「あと1時間弱で終わるのか」という不安もある。
ただでさえ『相棒』では鶴田官房長官や元相棒の南井など長期にわたって追い続けた巨悪が存在する。それと同時に鑓鞍国家公安委員長や片山雛子議員など未だ決着のついてない存在や、長谷川元副総監(國村隼)や遠峰死刑囚(西田尚美)など再登場が匂わされながらも長年果たされていない敵も数多いる。
『特捜9』もFinal seasonを控える中で『相棒』はどこまで風呂敷を広げ、どこまで回収出来るのか。
まずは最終回が綺麗にまとまり面白い着地になる事を希望したい。
(文・Naoki)
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