ドラマ『晩餐ブルース』第7話考察&感想。「罪悪感」の描写がリアル…斬新な組み合わせに見えるメニューの意外なバランスとは?【ネタバレ】
井之脇海&金子大地がW主演のドラマ『晩餐ブルース』(テレ東系)が、毎週水曜深夜にて放送中だ。本作は、仕事に忙殺されるサラリーマンと、夢から挫折し人生休憩中のニートが晩ご飯を一緒に食べる”晩活”グルメドラマ。今回は、第7話のレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
「自力でできる」ことを人に頼る罪悪感
見栄も嘘もいらない相手と一緒に夕飯を作って、食べる。ただそれだけの“晩活”だけれど、人間に帰れる場所があるということ、それ自体が力になるのだろう。『晩餐ブルース』第7話では、優太(井之脇海)たちが、それぞれ逃げていたことに向き合った。
散らかった部屋の掃除を始めたものの、なかなか作業が進まずにいた優太。耕助(金子大地)からハウスキーパーの利用を勧められるも、「そういう自力でできるものを、わざわざ人に頼るってどうなんだろう」と抵抗感を覚える。
しかし、「心なんて一番自力でどうにかするもの」と思っていた耕助がカウンセリングを受けたことで気持ちが楽になったという話を聞き、優太はハウスキーパーを頼ることに。でも、やっぱりどこかで罪悪感があるのか、ハウスキーパーが家に来てからも謝ってばかり。
そんな優太にハウスキーパーは「お客さんはお金を払って、私はその分の掃除を提供する。対等です。なので、お気になさらず」という言葉をかける。
現代社会には、私たちのあらゆる悩みを解決してくれるサービスが存在しているが、案外簡単には利用できないものだ。お金の問題もあるけど、それ以上に「これくらいのことも自分で解決できないなんて」という罪悪感が邪魔をする。
だけど、よくよく考えてみれば、自分で解決できない人が多いから、そういうサービスが生まれたわけで。ハウスキーパーもカウンセラーもフードデリバリーも、需要があるから存在する。
それは他の仕事、例えば、ディレクターも料理人もコンビニの店員も同じ。仕事としてやっている人に対価を払って、サービスを受けることに罪悪感を抱く必要なんてないのだ。