郷田(佐野史郎)の言葉にグッときたワケ
どんなにいい人であっても、ある方向から見れば悪い側面も存在する。生きていて人付き合いをしていれば「この人はいい人」、「この人は嫌な人」と知らず知らずのうちに分類分けしてしまうもの。
しかし放送を見終えた今となっては、自分が他人に行ってきたラベル分けは果たして適当だったのかと改めて思わされる。郷田が吐いた「本当に真っ白な人間なんて、果たして存在すると思うか?」という言葉はぐっと胸に響く。
ドラマを通じた一方的な見方への批判はおそらくマスコミにも向いている。第7話で描かれたワイドショーや週刊誌にしても、果たしてその人を多面的に見ることができているのか。その批判はお門違いではないのか。そう問うているようにも感じられる。
そして、第8話に向けてこちらの視点はまだ簡単に定めてはいけなそうだ。灰江へのリベンジを目論む週刊誌記者・羽毛田香(三浦貴大)の視線の先には一人の青年がいた。どうやら彼も薮内の隠し子騒動に絡んできそうな気配を見せる。
私たちは人とどのように付き合い、向き合っていけばいいのか。来週に放送される第8話でその答えが出るかどうかはわからない。だが、灰江の言葉からそのヒントとなりうる一端を見つけ出していきたいところだ。
(文・まっつ)
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