笑いの定番スタイルが生む中毒性

『ホットスポット』第2話 ©日本テレビ
『ホットスポット』第2話 ©日本テレビ

 笑いの一旦を担っているのがやはり高橋孝介(角田晃広)の演技。時には目にも留まらぬ早さで走り、必要であれば学校の体育館の屋根まで飛び上がり、100キロ台の巨漢も軽々と持ち上げる。大の大人が「自分は宇宙人だ」と言い切って、能力を披露しているという図はどう見ても滑稽だ。

「いま『おまえ宇宙人なんだから生活サイクルなんて関係ないだろ?』と思った?」

「ガンプラ作りが終わらなくてさあ」

「…特別だよ?」

 宇宙人のくせして、おじさん風も吹かせてくる高橋。それなのに見ている側も真剣。全てはファンタジーだと分かっているのに、超真剣。この構図を生んでくれた角田の一線級の演技力にお礼を言いたい。

 ドリフもそうだったじゃないか。

 ドリフターズの5人が出てくるだけで、テンションが爆上がり。天井からたらいが落ちてくる、落とし穴がある、大量の粉にまみれる。あり得ない、且つ定番型のコントの世界のはずなのに床を叩いて大笑い。で、母親に「テレビばっかり見てるとバカになるわよ!」と怒られる。何よりも毎週8時にちゃんとテレビの前で観たいので、子どもの頃の1週間はドリフを見るために頑張っていたような気がする。この感覚に『ホットスポット』は似ている。

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