赤沢（藤本隆宏）、実は良い人説が浮上？

　赤沢夫婦が連れてきた歌を「心麦ちゃん」と呼び、愛おしそうな顔を浮かべる春生と静香。阿波山は、「春生さんは本当に最後まで悩んでましたよ」と振り返る。出生証明書の偽造は違法だ。警察である春生が躊躇わないはずがない。それでも、歌を守るために相当な覚悟で実の子として受け入れたのだ。

　産院を後にした心麦は、松風とともに思い出の洋食屋を訪ねる。注射のご褒美に、春生と静香が飲ませてくれたクリームソーダ。大切にしてもらった記憶は確かに残っている。神井に出会うまで、自分が本当の子どもなのかと疑う余地もないくらい、春生と静香は愛情を持って心麦を育ててくれた。

　そのことに心麦は感謝しているし、本当は血の繋がりなんて関係ない、自分はたしかに春生と静香の娘だったと思いたいはず。けれど、今はそれを証明してくれる人は誰もいない。誰が何と言おうと、心麦は自分たちの娘だと抱きしめてくれたであろう春生と静香はもういないのだ。

　そのことが、心麦は「悔しい」のではないだろうか。いくつもの感情が入り混じり、子どものように泣きじゃくる姿が胸を締め付ける。無駄な励ましはせず、ただ隣に立って涙を隠してくれる松風が彼女のそばにいることだけが救いだ。

　さて今回、心麦の出生の秘密が明かされたことで視聴者の印象が大きく変わったのが赤沢ではないだろうか。「大人の都合に振り回される子どもは見たくない」と歌を必死で助け出そうとした赤沢。なかなか子どもができなかった春生と静香に子を持たせてあげたいという思いもあったのかもしれない。その高圧的なキャラクターゆえに当初から視聴者に怪しまれていたが、実は良い人説も浮上してきた。