『まどか26歳、研修医やってます!』第9話考察&感想。溝端淳平”本郷”の過去が泣ける…突き刺さった言葉とは?【ネタバレ】
text by 菜本かな
芳根京子主演のドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)が現在放送中。研修医の主人公が、令和の働き方改革で変わりゆく医療現場に戸惑いながら、人生と向き合う濃厚な2年間を描いた成長物語。今回は、第9話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
命の時間は誰にも分からない
だからこそ今を生きる
人間は、必ずいつか死ぬ。でも、わたしたちは忘れるのがうまい生き物だから、普段はそんなことを考えずに生きている。だけど、『まどか26歳、研修医やってます!』のように命と向き合っている作品を観ると、ふと思い出すのだ。命には、限りがあるということを。
麻酔科医の本郷(溝端淳平)は、いつも明るく飄々としている。そのため、「あまり物ごとを深く考えたりしない人なんだろうな」と思っていた。しかし、本郷は妻を乳がんで亡くした経験があるらしい。
それも、余命1ヶ月を宣告された3日後に。きっと彼は、残された1ヶ月間でたくさんの思い出を作ろうと考えていたはずだ。実際に、妻の家族に連絡を取り、病院に来てもらえるように約束を取り付けたりしていた。
それでも、「命の時間は、誰にも分からない」。ちょっと前まで元気よくしゃべっていた人が、事故に遭って突然亡くなることだってある。角田(奥田瑛二)が倒れたのだって、予想外のことだった。
だからこそ、“何をするべきか”ではなく、“何をやりたいか”を優先するべきなのかもしれない。「今いちばん何がやりたいのかっていうのを、大切にしてみてもいいんじゃないかな? だってさ、俺たち明日生きてる保証なんてないんだよ。だから、今を生きないと」という言葉も、命のリミットと向き合った経験がある本郷が言うからこそ、突き刺さるものがある。