自分の選択を正解にしていくこと
ただ、自分がいちばんやりたいことって何だろう。何かを得るためには、何かを捨てなければならない。実際に、本郷は娘との時間を確保するために、フリーの麻酔科医に転向したらしい。
消化器外科の医師・瑞希(堀田茜)も、出産後のキャリアで悩んでいる。瑞希の場合、夫も仕事で多忙を極めているため、育児の分担をするのがむずかしい。「子育てをしながら、外科医を続けるのって現実的じゃない気がして…」と思ってしまうのも無理はないだろう。
坂元裕二脚本のスペシャルドラマ『スイッチ』(2020、テレビ朝日系)に、「人生にはときに選択肢が訪れて、選んだ人生と同じだけ、選ばなかった人生があって。ときに人は、選ばなかった方の人生をまぶしく思う」という台詞が登場する。
たしかに、選ばなかった方の人生は、実際に経験するわけではないから、どれだけでも脳内でキラキラさせることができる。だから、わたしたちにできるのは、自分の選択を正解にしていくことくらいしかないのだ。
心から幸せだと思える人生を歩んでいたら、「もしも、あのとき…」と後悔することもない。たとえ、紆余曲折あったとしても、嵐の楽曲「Oh Yeah!」に出てくる歌詞のように、<もう一度 あの日に戻るとしても 同じ路(みち) 選ぶだろう>と最後に思えたらいいのだ。