1週間も待つのは長すぎる…。

『秘密~THE TOP SECRET~』第7話©カンテレ
『秘密~THE TOP SECRET~』第7話©カンテレ

 千堂外務大臣が下した決断は、あまりにも非情なものだった。

 威嚇射撃を要請してまで貨物船を検査するよう働きかけていた千堂に対して、さなえのMRI映像がフェイクだと気づいた薪は、コンテナ内部にいる少女が咲ではないと断言する。

 すると、千堂外務大臣は自らの娘が被害者ではないと知った途端に、今までの言動を翻して日本の国交を優先し始める。まるで20年前の集団拉致事件のときのように。ダブルスタンダードだと批判されても仕方がない対応だろう。

 薪の苦悩も計り知れない。第九は迷宮入りの恐れがある未解決事件を解明するために作られた組織だったはずだ。しかし、今回、被疑者となったさなえは、脳に秘められた秘密が第九にのぞき見られることを見越して、罠にかけるために自らの命を犠牲にした。

「MRIがこんなふうに使われるべきではない。決して」とこぼす薪。そんな本音を覗かせる彼のそばで、耳を傾けるのはいつも青木だった。

 薪が抱える苦しみを少しでも取り除くために。そして、見ず知らずの他人だろうと誰かの大切な人だからと、自らの危険を顧みずに行動する青木の信念は、意図せずとも薪の心を動かしていく。

 ここまで怒涛の展開を見せてなお、物語は後半戦となる第8話を残している。病院のベッドで余命わずかの命を盾にする淡路と千堂の攻防。そして、刻々と迫るタイムリミットを前に、航空操縦免許をもつ青木は薪の指示のもと、コンテナ内部に閉じ込められた少女の救出へと向かう。

 次回まで1週間も待つのは長すぎる。そう思ったのは、筆者だけではないと信じている。

(文・ばやし)

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【了】

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