ついに、苦しめられてきた自らの過去と相対す――。

『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』第8話©フジテレビ
『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』第8話©フジテレビ

 最後に事件をひっくり返したのは、やはり氷月の「カメラアイ」の能力だった。被害者の自宅を訪れた際、彼女の目に記憶されていた1つの写真が事件解決の決定打となる。

 ライブ配信で素顔を見せることに抵抗があり、常に黒縁のメガネをかけていた紗奈。そして、進藤大地(濱田龍臣)と映っていた写真の彼女もまた、同じメガネをかけていた。彼に対して「黒うさぎ」として接しており、心を開いていない何よりもの証拠と言える。

 実は、彼こそが巨額のお金をライブ配信で投げ銭していた「サッドハッター」であり、彼女の部屋に私物を持ち込んで、何も知らないふりをして被害者の彼氏を自称していた。

 氷月と土屋で真犯人を追い詰めたにもかかわらず、易々と部屋の外に逃げられているのは解せないが、木皿と穂村(森本慎太郎)のコンビがさらなる逃走を許さない。体を張って奮闘する木皿も、過去のトラウマを乗り越えて一歩ずつ前へ進んでいる。

 ただ、柊班の信頼関係は回復したものの、新たな火種が氷月のもとには燻っていた。前回のエピソードで描かれていたように、氷月の妹・陽菜(加藤菜津)が、もうすぐ出所の日を迎える実の父親と何らかの接点があることが明らかになる。

 氷月が物語の最後で相対するのは、今まで苦しめられてきた自らの過去だった。彼女は目を逸らすことなく、向き合うことができるだろうか。

(文・ばやし)

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