幸之助(小日向文世)の環境が率直に「羨ましい」

『わが家は楽し』©TBS
『わが家は楽し』©TBS

 離婚危機はさておき、幸之助が置かれている環境を率直に「羨ましい」と感じた視聴者も多いのではないだろうか。

 上場企業に勤めていた幸之助は、都会に大きい一軒家を構え、妻と大学生の息子・和夫(髙橋海人)、年老いた母・富子(岩崎加根子)を養うだけの余裕があった。長女の遥(桜井ユキ)はすでに独立しており、税理士としてバリバリ働く一方、雄太(えなりかずき)と結婚。2人の間に生まれた可愛い孫もいる。

 会社でも若い女性社員がハグで別れを惜しんでくれるだけの人望があり、退職を祝ってくれるような飲み仲間にも恵まれている幸之助。退職金もハイヤーの運転手(角野卓造)のように定年を延長してまで働く必要はない。

 幸之助の努力に依るところも大きいだろうが、果たして今の若者が必死に働いたとして、定年を迎える頃にどれだけの人が同じような環境を手に入れられるだろうかと思わされる。すでに高齢者の貧困や孤独死が急増していることを考えても、幸之助は幸せだ。

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