『相続探偵』第8話考察&感想レビュー。隠し子騒動に新展開…“正樹”を演じる小林虎之介の演技力に感服したワケ【ネタバレ】
text by まっつ
赤楚衛二主演のドラマ『相続探偵』(日本テレビ系)が、現在放送中。クセ強だけど頭の切れる遺産相続専門の探偵が、個性豊かな仲間たちと相続にまつわる事件を、コミカルに、痛快に、時に大真面目に解決していく。今回は第8話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
——————————
【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
隠し子騒動に新展開
次から次へと隠し子と名乗る人間が現れる。その流れは1週間前の第7話と同様だが、決定的に異なるのは新たに事務所を訪れたハタチの青年・島田正樹(小林虎之介)が明らかな善人に見えることだった。
『相続探偵』では前回の第7話で、亡き東大名誉教授・薮内晴天(佐野史郎)に浮上した7人の隠し子疑惑の真相が明かされる。7人のいずれも薮内とは関係ないことが証明され、相続探偵・灰江七生(赤楚衛二)は薮内の名誉を守ったが、今度は正樹が登場したことで再び何が真実なのかと向き合うこととなる。
母と2人で暮らし、年に一回会う程度の薮内を遠い親戚だと考えていた正樹は薮内。そんな彼が持つ写真に映っていた薮内は穏やかな表情をしている。双子関係である郷田とその子供に向けて「二度と俺の前に姿を現すな」と吐き捨てるひどい姿も見せた薮内だが、こんな一面もあったのだと改めて人間を表層的に見るのは難しいのだと考えさせられる。
その一方で、正樹は明らかないい人オーラを放ち、そして実際にそうだった。灰江の事務所を訪れたのも金目当てではなく、あくまでも真実を知りたいから。実際、正樹と薮内が血のつながった親子であるとわかった後も、死後認知の訴えは起こさず、解決金も受け取らないという決断を下す。