松村北斗の影を纏った表情が最高

『アンサンブル』第9話©日本テレビ
『アンサンブル』第9話©日本テレビ

 キャラクター紹介に「明るく実直で包容力があり、自己肯定感が高く、ポジティブな行動派」と書かれていた真戸原が急に路線変更したのは、松村北斗の影を纏った表情が良すぎるからとしか思えない(褒めてます)。

 思い返せば、松村がこれまでに演じてきた役のほとんどが“何か”を背負っている。『パーフェクトワールド』(2019、カンテレ・フジテレビ系)の晴人も、めちゃくちゃ明るい青年に見えていたのに、実は義足だったり。『恋なんて、本気でやってどうするの?』(2022、カンテレ・フジテレビ系)の柊磨も、『アンサンブル』と同じく毒親を抱えている。

 SNS上で「真戸原、急なキャラ変すぎないか?」と言われているが、製作者陣も、松村北斗が“何か”を抱えている姿を見たくなってしまったのだろう…という冗談はさておき、次週の最終回までには序盤のとにかく明るい真戸原くんが戻ってきてくれたらいいなと思う。

 そして、真戸原は「小山さんは俺とじゃない人となら幸せになれるから」と言っていたけれど、「瀬奈にとっての幸せはお前といることなんだよ〜!」と教えてあげたい。

 これじゃ、宇井のときと同じことになる…と思ったが、真戸原の場合は、親友・安田(戸塚純貴)が、わざわざ瀬奈の家まで来て、「優は、瀬奈さんのことが好きだからいなくなったんです。いちばん幸せにしたいから、離れることを決めたんです。自分がそばにいると、小山さんを困らせてばっかりで優しくされると余計辛くなるって」と伝えて、ちゃんと誤解を解いてくれた。

 安田の「お願いします。優のこと救ってください」という言葉があったからこそ、瀬奈もまた真戸原に歩み寄ろうと思ったのだろう。宇井のときは、これがなかった。

 次週が最終回なのに、いまだに本命のはずの真戸原より宇井の方が存在感が強い気がするが…。一体どうなってしまうのだろう。どんな形であれ、瀬奈と真戸原の心からの笑顔が見られることを願っている。

(文・菜本かな)

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【了】

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