『ホットスポット』考察。さまざまな謎がスッキリ回収…バカリズムの作品が広く愛される所以とは? 最終話感想レビュー【ネタバレ】

text by あまのさき

バカリズムが脚本を務めるドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)が完結を迎えた。本作は、小さな田舎町を舞台に、市川実日子演じる主人公が、宇宙人と遭遇する”地元系・エイリアンヒューマンコメディ”。今回は、最終話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

鮮やかで優しい最終回

『ホットスポット』最終話 ©日本テレビ
『ホットスポット』最終話 ©日本テレビ

 高橋さん(角田晃広)、ひいては富士浅田市全体を守るため、市長の不正を暴こうとする清美(市川実日子)たち。最終回を前に「F」のキーホルダーを持った人物と、あやにゃん(木南晴夏)の車に突如同乗していた女性という謎をポンと放り投げられたが、それも含めたさまざまなトピックスが回収されていく鮮やかで優しい最終回となった。

 レイクホテルのオーナー(筒井真理子)の事務所への潜入は、不正の証拠を掴むという意味では失敗に終わる。しかし、オーナーが市長の梅本(菊地凛子)と電話をする現場に運よく立ち会えた高橋さん。

 記憶力をアップさせれば会話の詳細を思い出せるのでは?という清美たちの提案を、ハゲたくないからと頑なに拒否する様子には笑ってしまった。命がかかっているかもしれないのに、ハゲたくないと粘る。

 清美も清美で、自力で思い出そうとする高橋さんに「30分経ちましたけど」と声を掛けるなど、扱いに慣れている感じもいい。

 高橋さんの髪の毛を犠牲にはしたものの、賄賂の受け渡し場所を突き止める。決定的な証拠として、受け渡しの瞬間を写真に収めようと現場に向かう高橋さん、清美、みなぷー(平岩紙)、はっち(鈴木杏)のおなじみの面々。

 寒さ対策のために着込む彼女たちの姿が、某Uber EatsのCMと重なったのも気になったが、もっと不思議だったのは色の派手さ。隠し撮りをしようというわりには、紫に黄色にピンクとかなり派手。

 これまで小学校の体育館やオーナーの事務所への潜入には黒装束だった高橋さんまで赤い服を着ている。もう失敗できない最終局面なのに、なぜ…。

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