バカリズム作品が広く愛される所以

『ホットスポット』最終話 ©日本テレビ
『ホットスポット』最終話 ©日本テレビ

 また、ホテルの従業員たちが気にしていた、常連客・村上(小日向文世)の遺産の行方については、紆余曲折あって、フロント業務を担当していた小野寺(白石隼也)が一部を貰い受ける形に収まった。

 第4話の幽霊騒動で、不正宿泊の女とは別に窓にうっすらと映っていた白い影についても、しっかり(?)幽霊として登場。高橋さんをビビらせることができずに消えてしまった。

 そして肝心の「F」のキーホルダーの人物だが、その正体は山本耕史演じる古田。梅本のせいで富士浅田がディストピアと化す未来を救ってほしいと清美たちに頼みに来たタイムリーパーだった。

 しかし、古田が自己紹介をしたのは、すでに梅本とオーナーの不正が明らかになったあと。特に何もないまま出番を終える格好となった。

 最後には、前作『ブラッシュアップライフ』(2023、日本テレビ系)同様、30年後の清美たちの姿が描かれ、おばあちゃんになっても仲のいい貯金会の3人と、宇宙人の血が入っているため全然老けない高橋さんとの変わらぬ関係を垣間見ることができる。

 宇宙人という異質なものもひょいっと受け入れていく清美たちの姿…というと重くなってしまうが、抜きん出た部分のある人もそうでない人も、それぞれ違ってみんないい。

 全編を通して感じられる優しいメッセージにほっこりすることもできるし、ただケラケラ笑って観ることも、伏線を見逃さずに考察もできる。これこそバカリズム作品が広く愛される所以なのだろう。

(文・あまのさき)

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【了】

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