ドラマ『晩餐ブルース』第8話考察&感想レビュー。社会でうまくやる人ほど孤独…? ラストの井之脇海の涙の意味とは? 【ネタバレ】

text by 苫とり子

井之脇海&金子大地がW主演のドラマ『晩餐ブルース』(テレ東系)が、毎週水曜深夜にて放送中だ。本作は、仕事に忙殺されるサラリーマンと、夢から挫折し人生休憩中のニートが晩ご飯を一緒に食べる”晩活”グルメドラマ。今回は、第8話のレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

先輩ディレクター・木山(石田卓也)の孤独

『晩餐ブルース』第8話 ©「晩餐ブルース」製作委員会
『晩餐ブルース』第8話 ©「晩餐ブルース」製作委員会

『晩餐ブルース』第8話では、優太(井之脇海)の先輩ディレクター・木山(石田卓也)に焦点が当たる。

 以前、会議で熱くなりかけたプロデューサーの上野(穂志もえか)にも「世渡りくらいうまくやれ」と言っていた木山。その木山が撮影現場で技術チームと揉めた。完全に立場が逆転し、上野が仲介に入るも技術チームから正式に現場を降りると連絡が入ったという。

 すかさず後輩たちが「木山さんは絶対間違えてないっす」「こんなのはプロデューサーの責任」とフォローに入るが、木山の表情は晴れない。

 その夜、晩活中に葵(草川拓弥)が何気なく言った「一緒に働いてても、心の中とか、その人の本当の事なんて何も知らない」という言葉が心に止まった優太は、木山をご飯に誘うのだった。

 2人が訪れたのは、優太が監督デビューしたての頃によく現場終わりで一緒にご飯を食べた広場。そこで、優太は木山から「大事なのはパフォーマンス」と教わった。単純に努力や実力で評価されればいいけれど、社会はそうとも限らない。実力以上に評価されているように見える人は大勢いる。

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