兼下のミスで重傷を負った後輩(藤堂日向)が現れる――。

『119 エマージェンシーコール』第9話 ©フジテレビ
『119 エマージェンシーコール』第9話 ©フジテレビ

 高千穂(中村ゆり)が何度も家族のもとへ行くように促しても、兼下は電話越しのSOSを優先する。命を天秤にかけることはあってはならないが、それでも家族の命は兼下にとって特別であるはずだ。

 その心情は、計り知れない。指令管制員として、今電話で繋がっている命を助けなければならない使命感。そして、家族を救いに行きたい気持ち。その2つのせめぎ合いは、とても難しい問題だ。

 それでも、兼下が通信指令センターに留まったのは、誰かの命を選んだわけではなく、現場で活動するSRたちを信頼して救助を任せ、自分には今何ができるのかを考え、腹を決めた結果だろう。複雑さをはらんだ表情をみせつつも、目の前の命に気丈に向き合う兼下をみていると、とても胸が詰まる思いだ。

 そんな折、光からの119番通報が。彼は無事だが、栞の足が挟まれて動けないらしい。目を見開き、息づかいを荒くする兼下からは、父親の姿が見え隠れする。

 電話口からは、栞と光をなんとか助けようとする近隣の人々の声と音が。なすすべなく、耳をすませる指令管制員たちの祈るような面持ち、そして、SRが救助完了の報告をしたときのほっとした笑み…。思わず、涙がほろりと頬をつたう熱いシーンだった。

 兼下が司令課に残るのか、はたまた現場に戻るのか…。どちらを選ぶのか気になるところだが、次週はなんだか不穏な空気。兼下のミスで重傷を負ったかつての後輩・潮見(藤堂日向)が、突如目の前に現れるのだ。彼は、兼下に恨みを持っているのだろうか。次週も、一瞬たりとも見逃せない。

(文・西本沙織)

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【了】

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