ラストに粋な演出も…医療ものとラブコメを調和してみせた『まどか26歳、研修医やってます!』の偉業とは? 最終話考察&感想【ネタバレ】

text by 菜本かな

芳根京子主演のドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)が完結を迎えた。。研修医の主人公が、令和の働き方改革で変わりゆく医療現場に戸惑いながら、人生と向き合う濃厚な2年間を描いた成長物語。今回は、最終話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

医療ドラマとラブコメを見事に調和してみせた
『まどか26歳、研修医やってます!』

『まどか26歳、研修医やってます!』最終話
『まどか26歳、研修医やってます!』最終話 ©TBS

 ラブコメが多く続いている火10枠での医療ドラマ。わたしは、身近に医療従事者が多くいるので、『まどか26歳、研修医やってます!』が火10で放送されると知ったときは、「むむっ?」となったのを覚えている。

 というのも、医療の現場でラブに重きを置いてしまうヒロインや、ドタバタコメディに振り切っている作品に対して、医療従事者の友人たちが「こんなのあり得ないから」と言っているのをよく聞いていたから。

「まあまあ、ドラマだから! フィクションだから!」となだめつつも、心のなかでは「医療現場とラブコメは相性が悪いんだろうなぁ」と感じていた。

 しかし、そんな心配は杞憂に終わったようだ。『まどか26歳、研修医やってます!』は、医療ドラマをラブコメテイストで描くことができる(しかも、視聴者をイラっとさせず)ということを証明してくれた。

 このドラマが成功した理由のひとつに、主人公・まどか(芳根京子)の恋愛パートを濃く描きすぎなかったことがある。たとえば、まどかが1年目の研修医時代に交際していた砂田(渡邊圭祐)は、浮気フラグが立ってからあっさり退場。

「あれは、妹だから!」という言い訳(?)は、本当だったのかどうか分からないが…真相は、砂田とともに闇に葬られてしまった。そして、別れたあと、砂田がまどかに未練がましく言い寄ってくることもない。

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