令和の家族像の変化
―――それぞれ取り上げられているテーマがデリケートなものが多いな、と思って拝見していたんですが、どういった部分に気をつけていらしたんでしょうか。
「令和の今の時代にホームドラマを作るときに、子ども賛美とか子どもを産まないといけない、というメッセージは発信したくないと思いました。だから、都さん(冨永愛)のような子どもを産まない選択をしているキャラクターが家族の近くにいて、彼女がゆるやかに主人公家族と関わりを持っていくところも描きたいな、と思いました。同性婚や不登校などは家族の問題を取材していく中で、当事者の方、監修の先生にきちんとお話をお聞きして、当事者の方々がなるべく傷つくことがない表現になるようには心掛けました」
―――見ている方、誰も置いていかない作品だな、と感じます。
「その点は僕一人の力ではなく、脚本家の蛭田直美さんが誰も否定しない、傷つけない、繊細であたたかな脚本を書いてくださっていることが大きいと思っています。蛭田さんの脚本は、世界に対するあたたかな眼差しが一貫してあり、どのキャラクターにも愛情を感じます。今回のシリーズで言うと、蛭田さん脚本の真骨頂は6、7話だと思いますし、蛭田さんが書いてくださったからこそ、家族とは何かというテーマを深く掘り下げて描けたと思っています。NetflixやFODの配信でも見ることができるので、未見の方は6、7話はぜひ見て頂きたいです」