すべてが淡路の計算ずくだった…。

『秘密~THE TOP SECRET~』第8話©カンテレ
『秘密~THE TOP SECRET~』第8話©カンテレ

 娘を助けるために罪を犯した父親として、世間は千堂に同情の声を寄せる。

 しかし、物語はそれだけでは終わらなかった。淡路の本当の目的が明らかになると同時に、彼の執念がどれほど根深い憎しみを原動力にしていたのかを思い知らされる。

 余命を告げられたあの瞬間から、彼は鬼になった。感情の一切を殺して、罪のない少女たちを誘拐した。そして、千堂の心にもっとも深い傷を負わせる方法を考え抜いて、自身の命さえも犠牲にして計画を企てていた。

「千堂大臣の一人娘をさらった」と犯行声明を出したことも。誘拐したもうひとりの少女に咲と同じ制服を着せたことも。コンテナ内に閉じ込められた少女が自分の娘ではないと知った瞬間に、千堂が彼女を見捨てるだろうことも、すべて計算ずくだったのだ。

 病室では皮肉にも、大臣を擁護するニュースのナレーションが流れる。理想の家族の父親像だと喝采を浴びた彼は、今、病室であまりにも残酷な現実を目の当たりにしていた。腕に手錠を嵌められながら、二度も見捨てた実の娘と対面するという現実に。

 ひとりの命を助けるために、ひとりの命が故意に奪われ、事件は終結した。それは薪がもっとも忌避していたMRI映像の悪用に他ならない。今後のMRI捜査にも、波紋を広げる事態となることは避けられないだろう。

 あまりにも不穏な次回予告が示すように、これから第九にはさらなる試練が襲いかかる。最終章に向けて、相応の覚悟を持って臨みたい。

(文・ばやし)

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【了】

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