安達祐実が発する説得力

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第11話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第11話 ©NHK

 俄祭りの目玉に浄瑠璃の人気大夫・富本豊志太夫/午之助(寛一郎)を招きたいと依頼された蔦重。りつ(安達祐実)たちと芝居小屋を訪れ、祭りへの参加を求める蔦重。ところが、「悪いが、俺は吉原は好かねえんだ」と突き返されてしまうのだった。

 その後、午之助の吉原嫌いの理由が明らかに。まだ売れていない頃、歌舞伎役者の市川門之助(濱尾ノリタカ)と共に、役者の出入りを禁じていた吉原に素性を偽って訪れた午之助。

 しかし、偶然にも門之助の顔を知っていた客が女郎屋・若木屋の主人(本宮泰風)に告げ口し、2人は追い出されてしまったというのだ。

 そもそもなぜ役者が遊郭への出入りを禁じられていたかというと、彼らは四民(士農工商)のさらに下の身分に位置付けられていたため。とはいえ、世間では人気者でファッションリーダー的な存在でもあった役者たち。それが却って鼻につく人も多かったのだろう。

「どれだけ煌びやかでも、真っ当に働いているもんが『所詮、世間様の外』って吐き捨てられるようにしてるってことさ」とりつは言うが、それは今も昔も変わらない。華やかな世界にいる人たちは得てして、楽して稼いでると思われがちだ。その裏にどんな苦労があるとも知らず。

「ひんむきゃみんな人なんて同じなのにさ。これは違う、あっちは別って垣根作って回ってさ、ご苦労なもんだよ!」と、りつ。役者と同じように“吉原者”と差別されているりつの言葉、さらには幼少の頃から芸能界に身を置く安達祐実から放たれるからこそ、強い説得力があった。

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