香取慎吾が演じたからこそ活きたタイトル
ところが、最終回でこのタイトルが綺麗に回収される。
一平は当初の目標だった区議ではなく、区長選に出馬することを決意。腐敗した区政を正すために幼馴染・真壁考次郎(安田顕)と画策し、現職の大江戸区長・長谷川清司郎(堺正章)を引きずり下ろす。
その後、一平は選挙活動で悪態をつきまくって対抗馬へのネガティブキャンペーンを繰り返す。相手もそれに応じ、選挙がいよいよ泥沼化したタイミングでいよいよ真壁が出馬を宣言。世論は一気に「真壁一択」の風潮となって見事に当選を果たす。
つまり一平はヒール、もとい“日本一の最低男”役を引き受け、真壁の引き立て役を全うした。
タイトルの意味が最後の最後でハッキリしたことで得られるカタルシスはたまらない。この快感は、脚本の上手さは勿論、香取慎吾の演技の巧みさが相乗効果を引き起こしていた。
特に、最終演説で家族に見守られながら「自分が良ければそれで良いし、苦しい人は自己責任」「邪魔なやつは攻撃して排除すりゃさ」と最低男を演じ切るシーンは圧巻だった。
香取は「ひょうきんだけど、どこか裏表がありそう」と思わせる二面性のある役に長けている。これほどまでに”嫌われ役を演じている演技”がしっくりくる人は他にいない。日本一の最低男を二つの意味で香取が演じたからこそ『日本一の最低男』というタイトルが活きたのだと思う。