日曜劇場『御上先生』は何が新しかったのか? ドラマ界の未来は明るいと感じたワケ。最終話考察&感想レビュー【ネタバレ】
text by まっつ
松坂桃李主演の日曜劇場『御上先生』(TBS系)が3月23日の放送をもって完結した。本作は、東大卒のエリート文科省官僚の御上が日本の教育を変えるため、令和の時代を生きる高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく物語だ。本日は最終話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
「そうだね」がもう聞けなくなってしまうことが残念…。
考え続けた約3か月が大団円を迎えた。日曜劇場『御上先生』がついに完結した。
本作は未来を夢見る子どもたちが、汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実と、そんな現実に1人の官僚教師と令和の高校生たちが共に立ち向かっていく、“教育のあるべき真の姿”を描く大逆転教育再生ストーリー。23日に放送された最終回では汚い大人と、悪の正体を明るみに出すことに成功した。
文科省と隣徳学院の不正が暴き、古代理事長(北村一輝)や中岡(林泰文)らを成敗することができた。彼らは悪さを行っていたわけだが、単なる勧善懲悪の物語として終始していないことがこの作品の新しいところだった。
まず彼らの不正によって犠牲となった生徒がいた。それが千木良(髙石あかり)で、彼女は代議士の父の手引きによって“裏口入学”していた。巨悪の不正を暴くということは、クラスメイトを傷つけることと同義となる。筆の強さを信じる神崎(奥平大兼)は当然思い悩むのだった。