髙石あかりはやはりすごかった

『御上先生』最終話 ©TBS
『御上先生』最終話 ©TBS

 ここで彼が取る行動は本人との対話。確かに彼は一貫して自らの意見を表明することを恐れず、相手の言葉もしっかりと飲み込んできた。だが、今回で言えば、大人になりきれていない高校生同士が当事者の考えを直接聞くのはある種残酷にも見え、千木良も「ごめん、無理」と最初は拒否反応を示してしまう。

 ただ、神崎はきっと問い詰めて記事を出してもいいという許可をもらいたかったわけではない。一緒に考えたかったのだ。御上(松坂桃李)が強調したように、高校生である彼らが答えの出ない質問を考え続けることに意味がある。「考え続けるを手放さない」ことで何かを得られるというのを、御上の“一番弟子”である神崎は誰よりわかっていたのではないだろうか。

 そんな彼の気持ちに呼応するように、千木良は教室の皆の前で事実を認める。彼女は強い。単純に懺悔するわけでもなく、もちろん責任逃れをするわけでもない。彼女が伝えたのは新聞記者を志す神崎へのメッセージだ。自分という存在を糧とし、そしてトラウマにしないでという彼女なりのエールだったようにも思う。

 そんな彼女の独白を演じきった髙石あかりはやはりすごかった。言葉をつまらせ、涙を大きな瞳に浮かべる姿は大きな共感を誘い、すでに女優として実績豊富な髙石が千木良という難しい役どころを演じる理由を遺憾なく教えてくれる。強さとか弱さがにじみ出るよう一連の演技を見ていると、ドラマ界の未来は明るいなと気楽に考えてしまう。

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