東賀山事件と放火殺人事件の真犯人は、最終話へ――。
かたや、鳴川は染田と阿波山夫妻の殺害を自供する。その覚悟を決めさせたのは、娘の阿南だ。これまでは単にカラビナ男、改め鳴川に言われるがまま遠藤友哉(成田凌)を起訴しようとしているように見えていた阿南。
しかし、鳴川の指示に従っていたのは、阿南の中で友哉が犯人だという確信があったから。なおかつ、それがもしも間違いであれば、キャリアを投げ打ってでも友哉の起訴を取り下げるという検事としての覚悟と矜持を持った女性だった。
自分と母親を辛い目に遭わせた父親に対しても恨みがないわけではない。それでも阿南は自分の生まれてきた意味を知るためにも、娘として父である鳴川の背中を最後まで見届けると心に決めていた。その思いに触れ、鳴川はようやく自分の間違いに気づいたのだ。
一方で、鳴川は春生殺害については否定した。最終回では東賀山事件と春生の放火殺人事件の犯人と、その動機が明かされるだろう。現段階ではどちらも京子犯人説が有力だが、そこには疑問が残る。
春生殺害はまだしも、女性である京子が一人で林川一家全員を殺すことは可能なのだろうか。そこで気になるのが、力郎の供述。
力郎は安成と赤ちゃんを抱いた女性=京子?が入っていく前に、屋敷から物音が聞こえたと手紙に記していた。もしかしたら、安成たちが家に着いた時点で、すでに家族は殺されていたのではないだろうか。
また、誰が鳴川に春生が東賀山事件を洗い直していることを伝えたのかも気になる。さらに引っかかるのは、染田と阿波山夫妻を殺害した動機。
嘘の供述をさせた染田については「口を破りそうだったから」という理由で説明がつくが、阿波山夫妻に関しては殺す理由はないはず(心麦たちを脅すためかもしれないが)。
つまり鳴川も誰かの指示に従っていたと見られ、東賀山事件について探られたくない京子が彼に協力させていた可能性が高い。もしも京子が東賀山事件の犯人ではないとしたら、彼女は一体何を守ろうとしているのか。
そうした謎を残したまま、本作は3月28日に最終回を迎える。
(文:苫とり子)
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