青木(中島裕翔)の身に降りかかる悲劇
ドラマの冒頭で青木は、実際に経験した出来事ではない鈴木(中島裕翔/二役)の記憶を、自身のものと錯覚する。以前、鈴木の脳に秘められたMRI映像をのぞき見たことで、青木は自身の記憶があいまいになっていた。
一方、雪子(門脇麦)もまた、顔を洗うために眼鏡を外していた青木の姿に鈴木の面影を見る。すでに鈴木はこの世にはいないが、ふたりの心には今も彼の記憶が息づいていた。
それぞれ悩みのタネを抱える青木と雪子だったが、青木家との食事会は生まれたばかりの姉夫婦の子ども・舞の存在もあって、和やかに進んでいく。
特に青木の姉を演じた佐津川愛美は、朗らかに屈託ない表情で笑う姿が役柄に合っており、ぴったりのキャスティングだと感じる。
ただ、ここまであまりにも幸せな一家の団らんが映し出されていたからこそ、このあと待ち受ける悲劇を受け止めきれない自分がいた。