新たな風を取り入れたシーズン

『相棒 season23』第18話 ©テレビ朝日
『相棒 season23』第18話 ©テレビ朝日

 シリーズの転換点ともいうべきは、脚本家の輿水泰弘が今シーズン不在だったことだ。

『相棒』はプロデューサーの松本基弘、監督の和泉聖治、脚本家の輿水の3本柱でスタートしたのだが、松本はS12、和泉はS14で『相棒』を卒業している。

 初期メンバーで唯一残る輿水は、初期ほどの本数は書かなくなったものの、毎年1本以上はコンスタントに『相棒』を書き続けていた。そんな彼が、初めて1作も書かずにシーズンを終えた。これはファンにとって大事件である。

 これはついに『相棒』を卒業したということか、それとも、水谷豊が仄めかしている劇場版Vに力を注いでいるのか…筆者としては、後者に強く期待しているところだ。

 しかし輿水の不在は残念なことばかりではなく、これまでとは違う脚本家がスペシャル回を担当したことで、『相棒』に新たな風を吹かしたとも言える。

 特筆したいのが、真野勝成のS17から6年ぶりの復帰だ。

 真野は、名作と名高いS12「右京さんの友達」から『相棒』に参加。三代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)の成長をはじめ、レギュラーキャラの新たな一面にスポットを当ててきた。今シーズンでもその強みが存分に活かされていた。

『相棒season23』を総括すると、現代社会を切り取りながら上質な人間ドラマを描く姿勢はそのままに、新たな風を取り入れたシーズンだったと言えるだろう。

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