話題をさらった「鳥山検校の乱」

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第11話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第11話 ©NHK

 結果、鳥山に見受けされ、瀬川から瀬以になった。それでも蔦重との恋は終わらないように見えるのは私だけだろうか。いつかどこかで気持ちがあふれて、悲しい結末にならないかと心配になってしまう。夫となった鳥山は妙にピリッとした緊張感を持たせる存在であることも、また……。

 そんな蔦重と瀬川の恋が終わったところで、恋の灯火が消えていなかったのは小田新之助(井之脇海)と、うつせみ(小野花梨)。貧乏な新之助は身請けができないと、一度は駆け落ちするものの、失敗。それでもふたりの思いは続き、第12話では祭りに紛れて、手を取り合って吉原を出ていく。

「祭りに神隠しはつきものでござんす。お幸せに」

 うつせみの女郎仲間である松の井(久保田紗友)が背中を押した。正直「これから大丈夫だろうか」という気持ちはあるけれど、ふたりなら、と信じたい。うつせみが和算書で勉強していたことが、どこかの町で役立ちますように。

 恋だ、愛だとばかり書いていて、蔦重の本業である編集者の仕事を忘れそうになった。相変わらず、邪魔者の多い出版業は思うようには進まない。そんな最中でもめげずに、新しいことを取り入れようと試みる蔦重。作家の朋誠堂喜三二(尾美としのり)を目の前に、

「(朋誠堂喜三二の作品を)俺も見てえし」

 そう口説き落とす。これは編集者として大正解だ。「お願いします、どうか助けてください」とすがるよりも、自分が何よりのファンであると示す。ああ、蔦重よ。なぜこの口説き技が仕事ではなく、恋愛にも適用できなかったのか……と、やや残念な思いを引きずって、4月からの放送を待つ。

(文・小林久乃)

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【了】

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