サブキャラクターにも注目
そして見逃せない登場人物の進捗といえば、長倉家の双子だ。次男・真平(坂口憲二)は病気を抱えてうまく生きることができず、ずっと自我を押し殺してきたような彼が、人を愛して結婚する。『カフェナガクラ』で行われる手作りウェディングパーティーのシーンは感動した。特に長男・和平のスピーチは長かったけれど、胸打たれた。独特な口調とコーディネートの万里子(内田有紀)も、第1シリーズでは半分ニートだったのに、千明に雇われて脚本家を目指すようになっていく。皆、千明と和平の素直さに背中を押されて、日々を動き出しているような風景だ。
ちなみに千明は会社で「副部長!」を拝命され、つまらない、やることのない管理職に昇格してしまう。一般企業でもよく見られる光景だろう。友人が言っていたが「副部長なんて無理矢理つけた肩書き」らしい。それでも腐らず、また現場へ意地でも復帰していく姿はやはり千明だった。この様子は全国の管理職の面々に見てほしい。デスクに座ってサインをして、数字を管理していることだけがこの世の仕事ではないということを、ぜひ知ってほしい。
と、『続・最後から二番目の恋』で胸も頭もいっぱいにしたところで迎える、『続・続・最後から二番目の恋』。実は2012年に放送されたスペシャルドラマも非常に面白かったので、こちらもお忘れなく。さあ、4月放送へのクラウチングスタートは切られた。願わくば、フジテレビの渡鬼のごとく、今後もドラマタイトル冒頭に“続”がたくさんついて、シリーズ化していきますように。
※『最後から二番目の恋』はTVerにて一部無料配信、FODにて配信。またフジテレビにて再放送
(文・小林久乃)
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