やっていない罪を自ら被ろうとした理由は?

『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』最終話©フジテレビ
『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』最終話©フジテレビ

 
 これまで何度も事件を解決に導いていた氷月のカメラアイによって、夏見が発砲していない証拠を突きとめる。彼女の瞬間特殊能力のすごいところは、記憶するだけでなく観た光景を俯瞰して、立体的に再現できることだと思う。
 
 実際は、金を無心する父親の理不尽な行動に耐えられなかった息子の康介が、交番を襲って手に入れた拳銃で被害者を撃っていた。そして、その発砲音を聞いて現場に駆けつけた夏見が、彼らの罪を被ろうとしたのが事件の真相だった。

 それにしても、なぜ康介は妹である千晶が拳銃を父親に向けたときに、止める素振りを見せなかったのか。家族を守るためだったと言うのなら、まずは彼女から拳銃を取り上げるのが先決なはずだ。

 さらに、康介は拳銃を手に入れるために、何の罪もない警察官を巻き込んで犯行に及んだ。どれだけ父親に対する憎しみを持っていたとしても、自分勝手な事情で他人の命を危険に晒した行動は許されることではない。

 夏見は、実の父親に拳銃を向ける千晶の眼を見て、20年前に妻を絞め殺す姿をクローゼットの隙間からのぞいていた氷月の虚ろな眼差しを思い出す。あのとき逃げ出してしまった後悔から、彼は震える手で拳銃をもつ千晶のもとへ駆け出した。

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