氷月の目に宿った仲間への揺るぎない信頼

『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』最終話©フジテレビ
『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』最終話©フジテレビ

 父親との記憶から今まで目を背けて生きていた氷月は、取調室で夏見と対峙して忌々しい過去に決着をつける。

 自ら命を絶とうとしていた夏見に対して「勝手に終わらせるなんて許さない」と言い放ち、「あなたの娘として過ごした記憶が忘れられなくて、ずっと苦しかった。その気持ちは死ぬまで消えない」と打ち明ける。

 張り詰めた緊張が緩和した瞬間、夏見は人目も憚らず慟哭する。声をあげて涙をこぼしながらも、どこか苦しみから解放されたような表情を見せる杉本哲太の芝居はすばらしかった。

 その後、信号が変わるのを待つ氷月のそばに、柊班にとって忘れることのできない大切な人物が現れる。今はもうこの世にいない彼の存在は、氷月のカメラアイが生み出した幻なのかもしれない。

 それでも「私にとって忘れられない記録ではなく、忘れたくない記憶なのかもしれません」と安田一課長(石黒賢)に告げたように、氷月の眼には殉職した瑞江(柏木悠)とともに過ごした柊班での記憶が焼きついていた。

 今まで事件の現場に赴くときは、過去の記憶を振り払うために強く目を瞑っていた氷月。しかし、新生・柊班が先を歩く姿に続いて、彼女は目を閉じることなく一歩を踏み出す。

 その姿からは、過去との決別だけでなく、仲間への揺るぎない信頼が感じられた。

(文・ばやし)

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