春生(リリー・フランキー)が遺したプレゼント
その手紙に同封されていたのは、京子が隠し持っていた春生のスマホ。おもむろにアルバムを開いて眺めていた心麦は、春生が亡くなる直前に撮影した動画を見つける。それはあの日、春生が心麦に恥ずかしくて渡せなかった“クリスマスプレゼント”だった。
「ありがとう、お父さんをお父さんにしてくれて。心麦、生まれてきてくれてありがとう」
照れ臭そうに笑う春生の胸に心麦が飛び込んでいく。あくまでもそれはドラマ上の演出だが、心麦はまるですぐそこにいるかのように春生の体温を感じられたのではないだろうか。心麦がここまで無事でいられたのも春生が守っていたからではないかと思わされる。
血の繋がりなど関係なく、誰よりも心麦を愛し、娘のためにも正しい人間であろうとした春生。その対照にいたのが、当初は謎のカラビナ男として登場し、ドラマを大いに盛り上げた鳴川(間宮啓行)だ。
娘の阿南(瀧内公美)に父親としての背中を見せたい。その思い自体は、春生と同じ。けれど、鳴川は自分が犯した間違いを正す道ではなく、隠す道を選んだ。
同じく過去をなかったことにしたい京子に協力し、罪を重ねた鳴川。しかし、本作が示すように、たとえ誰も見ていなかったとしても、犯した罪からは逃れることができない。結果、2人の罪は暴かれ、守りたかった大切な人たちを深く傷つけることになってしまった。