アイドル的人気!
「馬面太夫」と寛一郎の魅力

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第12話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第12話 ©NHK

 
 さて、そんな流行追っかけマスター・次郎兵衛も大ファンの、馬面太夫が第11話「富本、仁義の馬面」で初登場。「仁義の馬面」ってすごい褒め方だなあ(汗)。

 歴史を紐解くと、浄瑠璃・富本節で人気を博した馬面太夫こと富本午之助は、宝暦4年(1754)生まれ。蔦重より、4歳年下の色男だ。

 ドラマでも、彼の声が響くと「キャーッ!」という女性の黄色い声が飛んでいたが、彼の人気は本当にすごかったそう。黄表紙「桜草野辺錦」(1783)には、馬面太夫が船で川の向う岸に渡るのを追いかけ、ファンの女たちがエッサエッサと泳いでいるシーンなど、その熱狂ぶりがおもしろおかしく描かれている。

 そして当然、ファンはスター関連の出版物を欲しがるもの。そこで太夫と仲良くなった蔦重は、彼の浄瑠璃の歌詞をまとめた「正本」を独占販売。これが安定収入となり、蔦重の書籍ビジネスの大きな基盤になるのだ。いつの時代も、推し活は経済を回すものである。

 しかしこの馬面太夫のキャスティング、難しかったはず。多くの女性をトリコにする色気と声を持つ面長のイケメンを探さねばならないのだから。白羽の矢が立った寛一郎、すばらしい!

 そもそも『べらぼう』は、蔦重役の横浜流星、北尾重政役の橋本淳、鳥山検校役の市原隼人、扇屋の山路和弘とイケボだらけで耳が至福! 寛一郎が加わり、さらに楽しみが増えた。彼の色気と声の良さにしびれた、2022年のドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系)をまた観たくなってしまった。

 馬面太夫と蔦重は固い信頼関係で結ばれ、今後も仕事でタッグを組む予感。楽しみだ。

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