強烈クリエイターが続々登場!
江戸時代版「トキワ荘」も納得

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第10話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第10話 ©NHK

 いやいや、これから起こる悲劇を前倒しで憂うなど『べらぼう』らしくない。気を取り直そう。

 続々登場する絵師、戯作家たちと蔦重の交流はなんとも楽しい! 北尾重政(橋本淳)、勝川春章(前野朋哉)、そして朋誠堂喜三二(尾美としのり)。

 今のところは「蔦重なんてうさん臭い」と否定的な恋川春町も、のちに蔦重チームに合流することになる。ねっとりとした演技で、頑固なほどの真面目さを見せてくる春町役の岡山天音は本当に魅力的だ。

 そして第13話、ついに、北尾政演、のちの山東京伝が登場! 蔦重の生涯の相棒となる男である。演じるは古川雄大。政演は、裕福で芸術に理解のある家庭に育ち、スクスクと才能を開花させた「性格のいいボンボン」。それをストレートに醸し出していて最高である。

 史実の通りに行けば、扇屋の遊女との一途なラブロマンスが待っている。どう描かれるのか、待ちきれない!

 蔦重が魅力的なのはもちろん、クリエイターたちの個性が立っていて、本当に粋。そもそも『べらぼう』企画のスタートは、NHK側から脚本家の森下佳子に「トキワ荘のような大河ドラマを作れないか」と話が来たのが発端だったという。

 なるほど、モノづくりを目指す人たちの夢と迷い。その群像劇を見る興奮は、確かに重なる。

 そして冒頭にも書いたが、『べらぼう』でつくづく思うのは、江戸と現代は、とても似ている、ということだ。それはけっして全力で生きる人たちの愛しさだけではない。

 第13話、生活に困窮する旗本が多いことをうけ、田沼意次(渡辺謙)が、将軍・徳川家治(眞島秀和)に訴えるシーン。

「今のままのやり方では、旗本を養うのは土台無理な話」

 そして、白まゆ毛こと松平武元(石坂浩二)の「上様のお耳を煩わせる話ではなかろう!」という制止をふりきり、叫ぶのだ。

「いいえ、ぜひ知っておいていただかねばならんのです。上に立つお方だから立場だからこそ、ご理解していただかねば。この国の生き方を決めるのは、上様にございます」

 現代の課題そのままのセリフである。世の中は進化したようで、実は同じ繰り返しをし、今まで来ているのかもしれない。『べらぼう』はそんなことを考えさせられるドラマでもある。

(文・田中稲)

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【了】

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