障害年金はもらえない、だけど普通に働くのも難しい…。
38歳のさとこは、一生付き合わなくてはいけない病気(=膠原病)になったことから、生活が一変。週4日のパートでどうにか食い繋いでいるものの、贅沢はしていられない。そのため、マンションを購入する夢を諦めて、築45年・家賃5万円の団地に引っ越すことになった。
わたしの母も、さとこと同じ膠原病を患っているのだが、この病気は指定難病に登録されており、完治はむずかしいとされている。
もちろん、治療により寛解状態にすることもできるし、完全寛解までたどり着く可能性もあるが、そこに行くまでにさまざまな困難があるのは事実だ。
膠原病にはいろいろな症状があるが、さとこの場合はそこまで重症ではないため、障害年金をもらうことができない。しかし、普通に働くのもむずかしい。さとこは、前の職場で「まともに働けないなら来るなって言いたい」などとグチグチ文句を言われ、辞職に追い込まれてしまった。
「元気だったころは、理不尽な扱いに立ち向かえる人間だった。けど、今はその気力も体力もなく、意見できる立場でもないんだ」というさとこの心の声を聞いて、胸が苦しくなった。さとこに文句を言っていた同僚だって、いつ病気になるか分からない。
心のなかで思うのは勝手だけれど、それを本人に聞こえるように言ったり、わざわざ嫌がらせをしたりするのはいかがなものなのだろうか。