“鬼平”こと長谷川平蔵(中村隼人)が活躍小見出し
当時、江戸城では座頭金に手を出した旗本の娘が借金のかたに売られていることが問題視されていた。そこで、座頭金の実情を明らかにしようとする意次(渡辺謙)から調査官の役目を与えられたのが、“鬼平”こと長谷川平蔵(中村隼人)だ。
現在は十代将軍・家治(眞島秀和)の嫡男・家基(奥智哉)が居住する西の丸の進物番を担っている平蔵。しかし、容姿端麗で家柄も良く、周りから妬まれていた平蔵は西の丸を出たいという一心で意次の期待に応えようとする。
その結果、江戸城に勤める多くの武士が座頭金に手を染めていることが判明。最終的には借金で首が回らなくなり、一家で出家した者もいた。盲人を保護するために幕府が許可した金貸業が巡り巡って、武士たちを苦しめる要因になるとは、何とも皮肉なこと。意次は「もはや弱き者にあらず!」と当道座による高利貸しを取り締まることを決めたのだった。
苦しい生活の中で心の余裕を失い、誰かを妬んだり、見下したり、あるいは蹴落とそうとしたり、その状況を利用して金儲けしようとする人も現れたり…。本来は対立する必要のない人間同士が憎み合い、社会全体がギスギスしている状況はもしかしたら現代とあまり変わらないのかもしれないと思わされる回だった。
(文・苫とり子)
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