意味深なセリフが示唆することとは?

ドラマ『地震のあとで』第1話©NHK
『地震のあとで』第1話©NHK

北海道の空港から降り立つと、佐々木の妹のケイコ(北香那)と彼女の友人というシマオ(唐田えりか)がいた。まだ携帯電話が本格的に普及する以前なので、到着口で名前を書いた紙を掲げている人の姿もある。

 ケイコが運転する車内で古村は「東京にいるとね。距離を時間で測るようになるんです」と呟く。そんな想いから「遠くに行きたかった」と告白する古村に対して、シマオは「でも、どこまで行っても自分からは逃げられないんじゃないかな」と意味深な言葉を返す。

 ラーメン屋で昼食をとったあとも、彼らの淡々とした会話は続く。妻が家を出ていった理由を尋ねられた古村は、彼女が山形出身で関西に友人がいないことから地震とは関係がないと言い張るが、ふたりは「でもそういうのってどっかで繋がっているんじゃないかな」「古村さんにはわかんないだけで」と応戦する。
 
 UFOを見かけて家出したサエキさんの奥さんの話は、まさに「そういうのって繋がっている」ことを暗示するエピソードだった。古村の心にうっすらと疑念が渦巻くなか、ふと窓の外に目を向けると、妻が草原で満点の星空に向かって手を伸ばす光景を目にする。その姿は、まるでUFOの光に誘われるかのようだった。

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