ドラマ『対岸の家事』第2話考察&感想レビュー。ディーン・フジオカ”中谷”が辛辣すぎる…平易な言葉が心に刺さったワケ【ネタバレ】

text by まっつ

多部未華子主演のドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系)が、放送開始した。専業主婦の主人公が、働くママや育休中のエリートパパなど生き方も考え方も正反対な「対岸にいる人たち」とぶつかりながら繋がっていく。今回は第2話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

専業主婦は贅沢?

『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』第2話©TBS
『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』第2話©TBS

 スキップで地雷を踏んでいくとはこのことではないかと思うくらい、『対岸の家事』第2話では価値観の違いがまざまざと浮き彫りになり、互いを苦しめた。

 第1話の最後に描かれた、育休を取得している中谷(ディーン・フジオカ)とひどい初対面を果たしたのは詩穂(多部未華子)の夢の中の出来事だった。しかし、安心したのもつかの間、実際に公園で会うと、中谷は「専業主婦なんて贅沢」や「旦那さんがかわいそう」など詩穂に対して次々と攻撃的な発言を繰り返していく。

 男性目線で見ても中谷の意見には同意しかねるが、世の中を見れば典型的な男性として彼のような考えを持つ人もいるのだろう。確かに30代である自分と同世代を見渡せば、専業主婦の家庭よりも共働きのほうがすぐに思いつく。子供と過ごせる時間が多少減ったとしても、両親2人が働いて稼ぐ豊かさを見過ごすことはできない。

 専業主婦しか経験していない詩穂にしても中谷から言われたことに思うことがあったのだろう。夫の虎朗(一ノ瀬ワタル)の「少ない小遣いでやりくりするのが特技」なんていう言葉にも複雑な表情を浮かべてしまう。

 どちらが合っていて、どちらが正しいということはない。価値観や考え方なんて人それぞれでしかないわけだが、こと子育てや家庭のことになると人は「正解」を追い求めてしまう。自分で判断もできて、分別もつく大人になってから初めての“難問”だからではないか。自分は自分、人は人とあっさりと割り切って考えることができればいいが、仕事に生きてきた中谷にはなかなか難しいようだった。

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