ドラマ『なんで私が神説教』考察&感想レビュー。広瀬アリスの”神説教”にスッキリ…学園ものとしての新しさとは?【ネタバレ】
広瀬アリス主演のドラマ『なんで私が神説教』(日本テレビ系)が、放送開始した。なんとなくで教師になった主人公が、説教を(したくもないのに)しなければならない状況に追い込まれ、奔走する学校リアルエンターテインメント。今回は第1話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
“フリオチ”を強く感じた『なんで私が神説教』
振って振ってスッキリ。12日に第1話が放送された『なんで私が神説教』はいわゆる“フリオチ”を強く感じさせるものとなっていた。
主人公の麗美静(広瀬アリス)は28歳でニート。わけあって2年間閉じこもっていたが、母の友人である加護京子(木村佳乃)に強引に説き伏せられ、高校教師として社会復帰することとなる。
学園モノといえば、冬クールでは日曜劇場の『御上先生』(TBS系)が同じく高校を舞台としていた。ただ、『御上先生』に登場する生徒たちは賢く、余計な問題を自分たちで持ち込まない。問題が発生したとしても自分たちで解決へ動く自主性と頭脳を持っていた。
学園モノとして新しさがあった『御上先生』と比較すると、『なんで私が神説教』が描く学校は一見するとステレオタイプに見える。正義感強めの数学教師・浦見(渡辺翔太)や独特の優しい口調の学年主任・大口(野呂佳代)、超データ魔な政治経済教師・森口(伊藤淳史)ら個性あふれる教員が揃うのはいかにもドラマ的で、クラス内のいじめに教師が介入するという第1話のストーリーもおなじみのもの。
しかし、従来の学園ものには無い面白さを感じたのも事実だ。具体的には、広瀬アリス演じる主人公のキャラクターが一線を画すものとなっている。
教師になりたかったわけではないので情熱はないし、生徒のことを思っているわけでもない。もっと言えば社会とのブランクがあったので、人付き合いそのものに若干の難を抱えており、人とコミュニケーションを取ろうという意思さえ弱いようにも見える。
では、なぜ数ある職種の中から教師で社会復帰をしようと決めたのか?という疑問は浮かぶが、なにはともあれ彼女は生徒たちと向き合っていく。それも教師としてやっていく覚悟を決めたのでもなく、動機は「謝りたくないから」だった。教師として褒められたものではないが、人としては共感できる。