日曜劇場『キャスター』第1話考察レビュー。初回から謎だらけ…阿部寛のド迫力に負けない印象を残した意外なキャストとは?【ネタバレ】
ドラマ『キャスター』(TBS系)が放送開始した。本作は、テレビ局の報道番組を舞台に闇に葬られた真実を追求し、悪を裁いていく社会派エンターテインメント。3年ぶり6回目の日曜劇場主演となる阿部寛が、型破りなキャスターを演じる。今回は、第1話のレビューをお届け。(文・ばやし)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:ばやし】
ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。
怒涛のテンポで謎を提示した『キャスター』第1話
日曜劇場は「教育」から「報道」の現場へと舞台を移すことになった。4月13日(日)から放送が開始されたドラマ『キャスター』は、視聴率低迷にあえぐテレビ局の報道番組を舞台とした社会派エンターテイメント作品だ。
テレビ局が制作する「報道」をテーマに掲げたドラマということもあり、昨今、メディアを取り巻く批判や報道の在り方に対するひとつの回答として、視聴者に捉えられる可能性もある本作。それだけの覚悟をもって臨んでいるだけあって、注目が集まるのも必然と言える。
主演を務めたのは長年、日曜劇場の顔として活躍してきた阿部寛。同じ枠でドラマの主演を飾るのは『DCU』(2022、TBS系)以来、3年ぶりだが、2023年に壮大なスケールで送られる波乱の展開で日曜劇場に旋風を巻き起こした『VIVANT』(2023、TBS系)の野崎の印象がいまだに残っている視聴者も多いはずだ。
今回、彼が演じたのは、海上保安官でも公安警察でもなく、生ぬるい報道体制を正すことが使命だと考える型破りなキャスター・進藤壮一(阿部寛)。彼は民放テレビ局JBNの会長である国定(高橋英樹)に引き抜かれ、テコ入れが図られている報道番組「ニュースゲート」のメインキャスターへと就任することになった。
そんな進藤と同じく、新たに「ニュースゲート」の総合演出として抜擢されたのが、バラエティ番組で活躍していたディレクターの崎久保華(永野芽郁)。永野が演じる愚直でまっすぐな彼女と不敵な進藤の邂逅は、これからの物語にどのような影響を与えるのだろうか。