阿部寛の貫禄と迫力はやはり別格

『キャスター』第1話©TBS
『キャスター』第1話©TBS

 二転三転する展開、裏切りに次ぐ裏切り。現時点で、これまでの名だたる「日曜劇場」作品のエッセンスを汲んでいることがわかるほど、徹底的にエンタメに振った第1話の演出となっていた。

 リニューアルされた初回の「ニュースゲート」で進藤は突然、原稿の流れを無視したうえ、勝手に録音した崎久保の音声を利用して、テレビの報道体制に苦言を呈する。阿部寛がここまで喋り倒す姿もあまり見かけないが、その貫禄と迫力はやはり別格だった。

 実際はリハーサルだったことがすぐに明かされるが、進藤の過激な発言は現代のテレビ局の報道体制に対してのアンチテーゼとも言える。崎久保の音声も意図的に切り取られたものであり、不確かな情報の流布が横行している世の中への戒めともとれるシーンだった。

 第1話でクローズアップされたのは、内閣官房長官・羽生剛(北大路欣也)の贈収賄疑惑と関東医科大学で起きた不正手術。さまざまな不祥事が絡み合って、進藤たちが追いかけるスクープはやがて大きな政治の闇へと繋がっていく。

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