詩穂(多部未華子)にとって譲れないもの
連続して2人の子供を預かった詩穂だが、自分の子供と合わせて2人の子供を見る状況は専業主婦である彼女にとっても簡単ではなかった。家事が仕事のはずなのに、家のご飯もろくに作ることができず、いっぱいいっぱいになってしまったという。その結果、礼子から対価として受け取っていたお金も固辞する。
彼女が大事にしていることは、自分が大切にしているものに時間をかけるということ。それこそが自分の家庭の家事だ。
元々、自分が2つのことを同時にできないと自覚しているからこそ、ゆっくりひとつずつ丁寧に進めていく必要がある。不器用でも、詩穂は自分のペースで育児と家事という課題を乗り越えてきた経験があるのだろう。
礼子にお裾分けしたプリンもそのひとつの例で、だからこそお金以上に詩穂には譲れないものがあったのだ。