前田敦子の声に出さない演技がすごい!
2話まで観て、感心してしまったのが人見というキャラクターのディテールだ。オフィスのフロア内を、椅子を走らせて移動するとか、ポストイットを剥がすのにちょっと手間取ったり、ボールペンのペン先を出すときに雑に自分の頬に押し当てるところとか。
こういった細かい挙動から「ああ、人見ってこういう人だよね」と思わせる説得力を感じるのだ。いや、もしかしたら松田元太そのものなのかもしれないけれど。
人見は場を引っ掻き回しているのは間違いないのだが、それでもやっぱりイライラしないのがすごい。それは彼がどこまでもピュアだからだろうか。
自分が悪いと思ったら素直に謝るし、おかしいと感じたらその場ですぐに質問する。大人になるとプライドが邪魔してか、簡単なことなようで意外と難しいことだと思う。
実際、人見のように振る舞えないのが真野だ。真野は言葉では発さないが、その表情は実に雄弁。聞きづらいことをサクッと聞いてしまう人見に「なんてことを聞くの!」という感情を表情だけで現している。
口では言いづらいことを感情で全て表現するのは、演じている前田敦子の力量だ。くるくると変わる真野の表情もこのドラマの見逃せないポイントに違いない。真野が人見のことをすべて頭ごなしに否定するわけではない所も、イライラせず安心して見られる所以だろう。
一方で、人見の打ち出す解決方法がもっと実現可能なものだったら感情移入ができるのに、とも思うのだ。人見が今後成長を遂げるのか、それとも常識にとらわれない今の人見のスタンスを貫きとおすのか。その辺りも注目したい。
(文・ふくだりょうこ)
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